なんどいっても脱いだ服を片付けない!
なんどいっても使ったものを元に戻さない!
なんどいっても机の上を整理しない!
なんどいっても、、、

毎日子どもと接していると、「なんどいったらわかるのよ!!」といいたくなる場面はたくさんあるでしょう。
お母さんも熱が入ると、ついつい怒り調子になってしまうものです。

けれども、そのときの子どもの返事が、「うん」「そうやな~」「ごめんごめん」と、あまりにも素っ気なかったり、いつもと同じだったり、お母さんが一生懸命話しているのに、「なにその態度?!」と思ってしまうことも、珍しくないかもしれません。

けれども、、、果たして子どもは、お母さんの言ってることが分かっているのでしょうか?

 

反応が薄くて「分かっている」かが分からない子どもとの会話をどうにかしたいと思っていたり
子どもとのコミュニケーションが上手く取れないことに悩んでいたり

そんな時に、手に取ってもらいたい1冊です。

『相手に「伝わる」話し方 ぼくはこんなことを考えながら話してきた』 池上 彰 著

 

この本が書かれた当時、池上氏は「週刊こどもニュース」とういテレビ番組に出演されていたそうです。大人向けのニュースを子どもに向けて発信する、というコンセプトの番組で、ニュースの解説を担当されていました。

今では、「分かりやすさ」を一手に引き受けているかのような池上氏ですが、記者として社会に出たころからの苦労話や、記者としてニュース番組に出演し始めたころの葛藤や、子ども向けにニュースを解説し始めたときの試行錯誤などが、とても「分かりやすく」書かれています。

 

ところで、コミュニケーションギャップとしてよくある話に、<自分以外の人は「その人/そのもの/その事象」について誰も知らなかった>ということがあります。

「今話題の『それ』を知らないわけがない」とでもいうような雰囲気で、とても楽しそうに話す人を、誰が制することができるでしょう。

話を聞く側は「わかったふり」をしているのではなく、話の腰を折らないようにと、「それどういうこと?」などと質問をしないのかもしれません。

相手が気持ちよく話をしているのに、、、と、むしろ気を遣っているわけです。

一方で話す側は、そのような聞き手の気遣いなど知る由もなく、反応の薄さに「わかってんのかなぁ」と思いながら、「ちゃんと伝えなきゃ」と話しているのかもしれません。

 

聞く側は、気を遣い「わからない」とはいわない
話す側は、「ちゃんと伝えなきゃ」と思って弾丸トークをくりかえす

そんな悪循環が織りなすコミュニケーションギャップの一幕です。

もしかすると、話す側は「わからないなら『分からない』とちゃんといってよ!」なんて言葉を使いたくなることもあるかもしれません。

けれども、聞き手が『分からない』と話し手に伝えるには、それなりの勇気がいるものです。
『分からない』といえるような雰囲気が、その会話にあるでしょうか。

 

自身の番組作りのエピソードを交えながら、著者はこの本に記しています。
「『君がわからないと言ってくれたおかげでわかりやすくなった』という言い方を繰り返すことで、こどもたちにも番組作りに参加している実感が湧きます。みんなで番組を作っていく、という雰囲気が出来上がっていきます」

 

たとえば、あなたが話し手で、部下や子どもが聞き手の場合。

あなたは早口になっていないだろうか?
眉毛が吊り上がって目を大きく見開いて表情が強張っていないだろうか?
声がいつもより大きくなっていないだろうか?

そんなあなたの仕草や表情を気にしてもらいたいのです。

あなたの仕草や表情が、相手に与える影響は大きいです。
特に、お母さんと子どもとの間に働くある種の「パワーバランス」がある場合はなおさらです。

 

<みんなで作っていく>という意味では、仕事の業務もプロジェクトも「職場の人間関係」、あるいは「家族関係」も同じだと思うのです。

<みんなで作っている>という協働意識が「パワーバランス」を超えて、「この人になら『分からない』といっても大丈夫。」という気持ちに繋がっていくように思います。

それは、「信頼」という言葉に集約されるのかもしれません。

その「信頼」こそが、お互いの『分からない』を無くし、コミュニケーションギャップを埋める秘訣のようにも思います。

そして、あなたの伝えたいことが、ちゃんと伝わる秘訣だと思うのです。

 

もし、子どもになにかを注意したあと、子どもの態度に素っ気なさを感じたなら、言い切った後からでも構いません。
ひと呼吸、ふた呼吸、み呼吸、、、ほど深呼吸してから、「熱くなりすぎたかなぁ」と呟いてみてください。

たったこれだけで、子どもに向けたイライラが落ち着きます。

なによりもまずは、お母さんの気持ちが和らぐこと。
ここから始めてみませんか?

それから『相手に「伝わる」話し方 ぼくはこんなことを考えながら話してきた』を開いてみてください。

心の状態がどうあるのかも、読活には欠かせません。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA