一時期、マイブームだったニュースがあります。
子どもが10歳になり、「1/2成人式」というものが小学校で催され、子どもたちが次々に「将来の夢」を語る姿をみていた時期だったように記憶しています。

それは、野村総合研究所が発表した「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」というニュース。

当時私の周りでは、どちらかというと冷めた目で見ている人が多かったのです。
ところが最近では、いわゆるテレビのゴールデンタイムといわれる時間帯で、「AI(人工知能)」を話題にする番組をみかけるようになりました。

このような影響は流石なもので、、、あれほど自分には関係ない、と無関心を装っていた人が「AI(人工知能)」を語りだす姿をみると、いよいよ私も、もうすこしAI(人工知能)について突っ込んで考えてみようかなぁ、、、と重い腰をあげたわけです。

もし、あなたがほんの少しでもAI(人工知能)について興味が沸いてきたならば、こんな本はいかがでしょう。
「<インタ―ネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則」ケヴィン・ケリー著

 

この本の原題は「inevitable(不可避、避けられない)」といい、2016年6月の発売と同時に、ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルのベストセラーの上位にランクインしたそうです。
また、英語版に先行して中国語版が出され、発売前に15万部の予約が入るほどの人気だったとのこと。

日本語版は2016年7月に発売されていますが、さまざまな評判を見聞きします。
そのひとつに「難しい」というものがありました。

確かに、理系やIT関連のことを仕事にしていたり、それなりのネットリテラシーを持っていないと、「??」という言葉にも出会います。
私は、理系女子でもIT関連の仕事をしていたわけでもないので、言葉の意味自体を調べることもありました。

そんな私ですが、それでもここでご紹介したいと思うのは一時話題騒然となったニュースが理由です。
野村総合研究所が発表した「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」というニュースを思うからです。10~20年後には今の職業の大半が消えてなくなる、というのです。

このニュースは今でも私の頭のなかを駆け巡り、「働くこと」について考えさせるのです。

 

この本はズバリ、「デジタルテクノロジーの持つ不可避な未来を、わたしたちはどう受け入れるべきか?」を提案する本です。

著者は、Facebookでもときどき目にする「WIRED」という雑誌(日本版をウェブマガジンとして読む一方ですが)の創刊者であり、サイバーカルチャーの論客です。
そんな著者の「デジタルテクノロジー」が発展した背景と今後の予想を綴る言葉には説得力があります。

デジタルテクノロジーの知識がない私がそのみちの専門家の話にのまれただろう、と思われても仕方がないのかもしれません。
けれども、私が本書で注目したいのは、そこではありません。

著者の「人の『善」を信じる」姿を、私はこの本から垣間見たのです。

 

デジタルテクノロジーの問題点も指摘し、「初期の意図に反しない何らかの形で被害を及ぼさない発明というのはない」としたうえで、「有害な発明もニッチを生み出し、そこではいままで見たこともないような新しい善が作り出される」ともいうのです。

そして「新しい善が新しい悪を呼び覚まし、それが新しい善を作り出し、それがまた悪を拡散するというこの円環をわれわれはグルグルと回っていて、しかもどんどん加速しているようだ。だが決定的な違いが一つある。こうした円環を繰り返すたびに、それ以前には存在しなかった新たな機会や選択が生じているのだ。選択肢が(有害な結果をもたらす選択肢も含め)爆発的に増えることは、自由度を増すことであり、こうした自由や機会や選択肢が増えることこそ、われわれの進歩や思いやりや個人の幸福の源泉なのだ」といいます。

つまり、われわれが選択肢をどのように扱うかしだいで「善」にも「悪」にもなりうるならば、未来の視点は「人の『善』を信じる」以外にないのではないか、と、著者は主張しているように感じるのです。

 

たしかに、仕事はなくなるのでしょう。
けれども、ロボットが仕事を肩代わりしてくれることで、人は「人間らしい仕事」に集中できるようになるのだと考えれば、今こそ、私たちは自分なりの「人間らしい仕事」を探し、そこにシフトしていく時期なのだと思わずにはいられません。

この本を読めば、「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能」というニュースは悲観ではなく、むしろ、私たちにって喜ばしいことなのではないか、と納得せずにはいられないでしょう。

あなたが10年後の職業や仕事を憂うなら、本気で「働き方」や「仕事」について向き合ってみるべきときなのだと思います。

ですから、それほど「恐れずに」挑戦してほしいと思うのです。要所を抑えれば、著者の云わんとすることが入ってきます。この本が、あなたに希望をもたらすことでしょう。
それでももし、途中であきらめかけたなら、、、読書会でいっしょに読んでまいりましょう。

本書がきっかけで、あなたが抱えるAI(人工知能)への抵抗感を和らげる一歩になれば、と思います。

 

※読書後に、ぜひあなたの感想もお聞かせください。読活交換いたしましょう!!

 

 

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